Carnaval étudaintとは、フランス最大の学生のお祭りで、毎年フランス中からカンに学生たちが集まってきます。Carnaval étudaintとは、2万人以上の学生がカンに集結し、仮装して街を練り歩き、広場で行われるコンサートに行って大騒ぎをするだけという、とても素晴らしいお祭りです。Carnaval étudaintとは、全員が昼間から酒を飲み、町中に異様な臭いが充満し、トイレ不足からそこら中で用を足し、叫び回るだけという、本当に素晴らしいお祭りなのです。しかも、Carnaval étudaintとは、これだけのことをしておきながら、誰一人としてなぜこんなことをするのかという目的を理解していないという、本当に本当に素晴らしい・・・もうこの辺にしておきましょう。私自身、アルコールのおかげですっかり気持ちよくなり、後半何をしていたのか、ちっとも思い出せません。こんなに素晴らしいお祭りに参加できたなんて、本当に忘れられない思い出です。
宿舎について教えて下さい。
私の宿舎は、キャンパス内にあります。部屋は9m2で、冷蔵庫、机、椅子二つ、クローゼット、ベッド、それからベッドの下にタンスがあります。うまく使えば、収納にはそれほど困りません。棟内には100人程度が暮らしているようです。共同キッチンが各フロアに2つずつあります。1フロアの部屋数が32なので、一つのキッチンを15人程度で共用する計算になります。しかし、学食がすぐ近くにあることもあって、それほど自炊派は多くなく、キッチンを使うタイミングが被るは、5回に1回ぐらいです。しかも、コンロは8つあるので、被っても特に困りません。
宿舎のある地域について教えて下さい。(環境、お店等)
宿の目の前は芝生になっていて、周辺には別の学生寮が立ち並んでいます。週末になると、この芝生でサッカーチームが練習しており、なんとも長閑な景色になります。寮から歩いて10分弱のところに、パン屋と小さなスーパーがあり、生活に必要なものはそこで足ります。また、中心街へもトラムで10分程度、歩いて15分程度と、アクセスはそれほど悪くありません。このように、生活範囲が半径1km内に収まるので、私はトラムの定期を買わず、基本徒歩を移動手段としています。それで特に困らないのですが、唯一、中心街から帰ってくる時には、大学前の心臓破りの急坂を登り切らなければなりません。私のように、運動不足・飲酒・喫煙と三拍子そろった極めて健康な身体でも苦しいわけで、カンの役所は、是非ともこの坂にエスカレーターを設置することを検討してほしいものです。
宿舎の良い点、不満な点も教えて下さい
この寮は、先に書いたように、どんな場所へもアクセスが良く、生活範囲を全て足で移動できます。食堂も歩いて2分程度のところにあり、食事にも困りません。学生の中には、寮が遠くにあるために、わざわざ食堂に来るためにトラムに乗ってくる人もいるようです。また、シャワー・トイレが部屋ごとに設置されているのも、大きなメリットです。ただ、同じキャンパス内にある他の棟に住んでいる友人に部屋を見せてもらいましたが、そちらは部屋が少し広い代わりに個別のシャワー・トイレがなく、この点は棟によって異なるようです。そして、何と言ってもこの寮の最大のメリットは、週5日通う学校が近いことです。多くの学生が通学にトラムを使っているわけですが、もちろんトラムは有料ですし、ストライキや天気の影響で遅れたり止まったりします。その点、歩いて5分で教室に行ける場所に住んでいるというのは、大変運が良かったと思います。
難点はまず、暖房が効かないことです。夜は特に寒く、部屋でもダウンが脱げません。これはこの寮だけの問題のようで、他寮は暑いくらいだそうです。それから、11月にボヤ騒ぎがあり、それ以来最寄りのキッチンが使えなくなってしまいました。あれから5ヶ月以上経ちますが、未だに修理が終わりません。別の階にもキッチンはあるので、それほど困りませんが、料理道具を両手に抱えて階段を上り下りし、扉を3枚も通らなければいけないのは、とても不便です。
インターネットは使用できますか?
有線で使用できます。回線には一日ごとに制限があるようで、動画を二時間ぐらい見るとかなり遅くなります。後期に入ってからはかなり快適ですが、前期は度々使えなくなり、寮の隣人と受付に文句を言いに行ったこともありました。もちろん、「今日は金曜日だから、月曜日までは直らないから我慢して」と言われただけだったのですが。「日曜日に働くことが許されてよいのか?」などという議題を本気で議論するような人たちですから、金曜日に起きるトラブルは、月曜日までは決して処理されません。諦めて(そして呆れて)週末はインターネットなしで過ごしましょう。
宿舎内で他の学生との交流はありますか?
やはり同じ宿舎に住んでいると、それなりに交流ができますし、キッチンが使えなくなったり暖房が効かなかったりと、苦労を共有しているわけですから、仲間意識みたいなものも芽生えます。一緒にご飯を食べたり、部屋でお酒を飲んだり、一緒に出かけたり、誰かの誕生日会に呼ばれたりします。私の斜め前の部屋に、とてもサンパティックなメキシコ人が住んでいるのですが、ラテンアメリカの人間を侮ってはいけません。彼は、例えば夜中の3時に私の部屋のドアをバンバンと叩き、私を起こしてきます。もちろん、私は眠いので無視します。しかし、次の日私が眠っていた旨を説明すると、「何で寝てたの?まだ夜中の3時だよ?変な奴!」などと言ってくるのです。ここまで文化の違う人間がどうして友人同士でいられるのか・・・人間とは不思議なものです。
思えば遠くに来たものだ:仕事が欲しいので勉強やめます
本日、午前中の授業を終え食堂へと向かうと、珍しく閉まっていました。・・・そう、ストライキです。キャンパス内の食事処は軒並み閉まっており、友人の話では、自動販売機も停止しているとのこと。「フランスでは機械までストライキするのか!」と驚きを隠せないまま、仕方なく大学近くのパン屋へと向かいます。当然、食堂が閉まっているわけですから、パン屋は最新スマートフォンの発売日状態です。20分以上並んでようやくサンドイッチを手に入れたら、もう午後の授業開始の15分前。みんなで「急げ!」と、パンを頬張りながらキャンパスへと帰ると、学生たちが校舎の入り口の前で屯っています。何が起きているのかわからないまま呆然としていると、すっかり帰り支度を整えた先生が校舎から出てきて、「ストライキで授業はなくなりました。みんな、フランスの文化に触れられてよかったね♪」と笑顔で言い残し、去って行きました。
思えば先月も、デモで文学棟が占拠され、約一週間にわたり授業が中止になったことがありました。解せないのは、このストライキとそれに伴うデモは、労働環境改善のために、学生たちが行っているということです。つまり、彼らは卒業後にきちんと働き口を見つけられるよう、デモを行い、大学校舎を占拠し、数々の授業を停止に追い込むのです。・・・なぜなのでしょう?大学を占拠することに、労働環境の改善と何の関係があるのでしょうか。きちんと仕事を見つけたいのなら、きちんと勉強した方が良いのではないでしょうか。大体、安くはない授業料を払ってわざわざ勉強しにきている私たちにすれば、いい迷惑なのです。
そういうわけで、「このデモを辞めさせるためのデモを行いたい」などとブツブツ文句を言っていたのですが、このストライキのおかげで、友人とお茶をし、こうして優雅にカフェでレポートを書けているわけですから、案外ストライキも悪くないのかもしれませんね。思えば遠くに来たものだ。